HSCのお子さんは、様々なことに気が付いたり,周りへの気遣いが出来たりする半面、以下のように勉強をしたくないと感じてしまう場面があります。
- 周囲の刺激に敏感すぎて授業や勉強に集中できない
- 考えすぎて宿題が進まない
- 少しでもできないと嫌になってしまう
授業や勉強が苦痛だと学校は安心できない場所になってしまい、不登校になることもあります。
そんなHSCのお子さんには勉強を頑張ってさせるよりも、安心して授業を受けられるようにしてあげることが大切です。
そのためには
- 授業の予習をすること
- お子さんに合うペース、環境で勉強する
これらを行うことが大切です。
Contents
なぜHSCは勉強が苦手?
HSCのお子さんはなぜ勉強が苦手になるのでしょう。
その理由として次の4つが考えられます。
- 周りが気になって集中できない
- 環境の変化に敏感で不安を感じる
- 自己肯定感が下がりやすい
- 完璧主義で勉強が進まない
詳しく説明していきますね。
周りが気になって集中できない
HSCのお子さんは、その気質から些細なことにも過敏に察知してしまいます。
授業中も匂いや光、大きな声、他人の目が気になってしまい、ストレスになったり集中できないことがあります。
学校は1クラス30人ほどの大きな集団です。
接する人数が多いほど刺激が多く、神経をすり減らしてしまうのです。
HSCのお子さんにとって授業を受けることは、様々な刺激を受けつつ、長時間我慢をしなければならないことなのです。
そのような状況で授業に集中することはとても難しく、先生の言っていることが理解できないことも出てくるでしょう。
環境の変化に敏感で不安を感じる
新学期で教室、先生が変わる、席替えや、教室の変化等の環境の変化に対して、HSCのお子さんは敏感に反応します。
その状況が続けば、学校が「行きたくないところ」になってしまう可能性もあります。
またHSCは共感力が高いことから、他の子が怒られたときに、自分が怒られているように感じてしまいます。
間違えたら自分もこんな風に怒られる、と不安と恐怖に駆られてしまうのです。
「間違えたらどうしよう」
と授業中は不安でいっぱいかもしれません。
自己肯定感が下がりやすい
なんで私はこんなにダメなんだろう
物事を深く考えてしまうHSCのお子さんは、自己肯定感が下がりやすい傾向があります。
そして、
できることしかやらなくなってしまい、ますます勉強が苦手になってしまうのです。
完璧主義で勉強が進まない
HSCのお子さんは完璧主義で、「0か100か」「白か黒か」で考える子が多いのです。
少しでも「分からない」「できない」があると、頭の中がそのことでいっぱいになってしまい、勉強が進まなくなってしまいます。
「自分はできない」
やる気がなくなってしまえば分からないところもそのままになってしまいがちです。
その分からないが積み重なってしまえば、勉強も遅れてしまいます。
HSCの「勉強嫌い!」「勉強しない!」にならないためには
なんだか要領が悪く感じて お子さんに
しかし、「学校で集中できないのであれば、家でしっかり勉強させないと」 とお家で親御さんが勉強を強制させてしまうことはお勧めできません。
学校で不安になったり疲れているお子さんに、さらにプレッシャーをかけることになってしまいます。
お家まで安心できない場所になってしまうことは避けなければなりません。
やらなかったらどうなるのか、やった方がいいってことは、物事を深く考えるHSCのお子さんはよく分かっているのです。
誰よりも分かっているけど、考えれば考えるほど頭が真っ白になって、苦しんでいるのです。
「勉強しなさい」
ではどうしたらよいのでしょうか。
それは、安心して集中できる環境を整えてあげることです。
具体的には
- 授業の予習をする
- お子さんに合うペース、環境で勉強する
です。
それぞれ説明していきますね。
授業の予習をする
「授業であてられたらどうしよう」
不安と恐怖でいっぱいのお子さんにまず安心してもらうためには、授業で習うことの答えを知っていること。
つまり予習をすることです。
勉強が苦手なうちの子に予習をさせるのは無理です。
そんな時は親御さんが、答えを教えてあげましょう。
答えを教えてもらえるなら、予習のハードルも下がりますし、何より、次の授業で分からなくなる、といった不安に駆られなくなります。
もし授業中に先生にあてられても、
お子さんには、
予習の段階では理解できなくても、安心することで気持ちに余裕ができ、授業に集中しやすくなります。
授業に集中できれば、授業の中で理解できることが増えてくるはずです。
「授業で答えることができた!」
「分かると勉強楽しいかも」 そう思えてくるかもしれません。
そのうち年齢が大きくなってくれば、今まで答えを教えていたのが少なくなり、自分だけで予習できるようになるでしょう。
お子さんに合うペース、環境で勉強する
お子さんが授業中に音や光など気になるところがあるのなら、先生と相談して席替えを考慮してもらいましょう。
学校での困りごとは、先生のHSCに対する理解と協力が必要となってきます。
また、頑張って学校からクタクタに帰ってきたお子さんは、疲れすぎて宿題どころではないこともありますよね。
まずは休息をとらせてあげましょう。
昼寝をさせてあげたり、静かで刺激の少ない部屋でダウンタイムをとらせましょう。
クールダウンさせて気持ちと心が回復出来てから宿題等するようにしましょう。
しかし、それでも疲れていたり、他のことが気になりすぎて手につかない時は、無理に宿題をさせなくてもよいのではないでしょうか。
お子さんのペースを尊重し、次の活力を養うことの方が大切です。
答えを教えたり、宿題をしなくてもいいの?
親としては、普通に学校に通って、授業を受け、家では宿題を自分で終わらせるものだと思いますよね。
あるHSCのお子さんは宿題をすることがとても嫌で、毎日出される宿題に時間がかかり、苦労していました。
宿題の何が嫌なのか、落ち着いているときに聞いてみると、
お母さんも最初はそういって、一人で頑張って宿題をさせていました。
「わからない!」と癇癪を起したときは、どうやって答えを導くのかを、お子さんをなだめながら一生懸命に教えてあげていたそうです。
しかし、解き方を教えても
「もういい!」
毎日時間をかけて宿題をして、お母さんもお子さんもクタクタになりますね。
あまりに大変で、ある日癇癪を起した算数の宿題を、解き方ではなく、答えそのものを教えたそうです。
そうしたら、お子さんの癇癪はすっと落ち着き、
今までは宿題中、ずっと不機嫌で癇癪が落ち着くにも時間がかかっていたのに、あっさり落ち着いたことにびっくりしたそうです。
自分で答えを導くことはとても大事です。
習ったことが理解できているかの確認になりますよね。
学力を上げるためには必要なことです。
しかし、追いつめられて、頭が真っ白になっている状態では、自分で答えを導くことはできません。
学校では、どの教科もまんべんなく出来ていることを良しとします。
ですが、果たして将来、社会に出た時、まんべんなくできていないと生きていけないでしょうか?
何か本人の得意とするもの、強みになるものが一つでもあれば、そこから広がっていく世界もあります。
先ほどのHSCのお子さんは、お母さんに答えを教えてもらって宿題を終わらせる日々が続きました。
早く宿題が終わらせられたことで気持ちに余裕ができ、自分の興味のあったプログラミングに時間を費やしたそうです。
そのうちに自分で宿題を終わらせることができる日が増えてゆき、今では学校の宿題も塾の宿題も自分でサクサク終わらせているようです。
プログラミングは独学で勉強し、小学校高学年の時点でいくつものプログラミング言語を習得されました。
お子さんにとって大きな強みとなり、自信になったようです。
そのころからクラスのリーダー的存在となり、人前に出る機会も多くなったそうです。
「困っている」と周りが理解できていれば、早いうちに対応ができます。
宿題は絶対しなければいけないものではないと思います。
体調が悪いこともあれば、気分が乗らないことだってあります。
無理をしなくても、お休みをすることがあってもいいのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
HSCのお子さんは勉強が苦手になることがあります。
その理由は4つあります。
- 周りが気になって集中できない
- 環境の変化に敏感で不安を感じる
- 自己肯定感が下がりやすい
- 完璧主義で勉強が進まない
また、HSCのお子さんが勉強を苦手にならないためには、まず、安心して授業を受けられること、集中できる環境をつくることが大切であり、そのためには、
- 授業の予習をする
- お子さんに合うペース、環境で勉強する
これら2つの方法があります。
HSCのお子さんは予習にしても、答えを教えてもらうということや、教科書に答えを書き込むことに不正だと考えてしまうかもしれません。
また、先生に相談して考慮してもらうことに対して自分だけ特別な処置をしてもらっていると嫌な気持ちを持つHSCのお子さんもいるかもしません。
HSCのお子さんは穏便に済ませたいと考えることがあります。
しかし、学校や勉強で困っていることがあるのであれば、それは助けてもらっていいことです。
人それぞれ違って、お互いが尊重されることが大切だということをお子さんには伝えていただきたいなと思います。
「授業に集中できてなくて内容もよくわかってないみたい」
「 宿題にすごく時間がかかっている。勉強が苦手なのかな」