「感受性が豊かな子ども」というと、表現が豊かで、様々なことに感動する、芸術家に向いているなど、すばらしい才能を持っていると感じるますよね。
その反面、ネガティブな感性にも敏感で、悲しい気持ちから抜け出せなくなったり、周りの反応を敏感に感じてストレスになってしまっていることもあります。
感受性が豊かな故に出てくる問題もあり、親としては心配になりますよね。
また、お子さんが感受性が豊かすぎる、強すぎる場合、「HSC」いわゆる「繊細さん」である可能性もあります。
感受性が豊かなお子さんに、親としてどう接したらよいのでしょう。
お子さんへの接し方として5つの方法をご紹介します。
- 感情を否定しない
- 落ち着く場所に移動する
- 話をしっかり聞く
- 気持ちを代弁する
- 良いところを見つけて褒める
上記の接し方をすることで、感受性豊かなお子さんの辛い側面をカバーし、長所を伸ばすことができます。
感受性の豊かさを活かしてあげましょう。
Contents
感受性豊かな子どもの特徴
そもそも、「感受性」とは何でしょうか。
「感受性」とは「外界の刺激や印象を受け取る感度、性質」のことです。
感受性はみんなが持っているものですが、その性質の強さには個人差があり、人によって違います。
「感受性が豊か」とは一般的に感受性を強く持ち、刺激に対して強く反応したり、影響を受けることを指しています。
では、感受性が豊かな子どもにはどんな特徴があるのでしょうか。
- 人を思いやり、優しい
- 場の空気が読める
- 喜怒哀楽がはっきりしている
- 好奇心が強い
人を思いやり、優しい
感受性豊かな子どもは、人の気持ちを察知し、相手の考えを読む力があります。
相手の気持ちを汲んだ行動が出来たり、人の痛みや悲しみに共感し理解することができるため、感受性豊かな子どもほど、思いやりがあり、優しい子が多いのです。
場の空気が読める
感受性豊かな子どもは、周囲の状況をいち早く察知でき、また人の気持ちにも敏感なため、その状況に合わせた行動をすることができます。
また、周囲の情報や自分の知識から、今後起こりうる様々な可能性についても考えることができます。
そのため、物事の多面性に気づくことができるのです。
しかし、ネガティブな面についても気づいたり、考えこんでしまうため、
「ケガするかもしれないから、あの遊具では遊ぶのやめよう」
と、不安や恐怖を感じやすくなってしまうこともあります。
喜怒哀楽がはっきりしている
感受性の豊かな子どもは、楽しい、うれしい、悲しいといった感情のセンサーが敏感なため、表情がコロコロ変わり、喜怒哀楽がはっきりしています。
感情のエネルギーも強く、感情の起伏が激しくなることもあります。
特に、小さなお子さんは自分で感情のコントロールをすることが難しいです。
また、うまく気持ちを表現することもできません。
好奇心が強い
感受性が豊かなお子さんは、感情のセンサーが敏感なため、何かを見たり触れたりしたときに心が大きく刺激されます。
そして、
好奇心は学習意欲を掻き立てます。
好奇心が強いお子さんは、自ら学びたい・知識を得たいと考える子が多いのです。
感受性が豊かすぎる!もしかしたらHSCかも?
感受性が豊かなことは長所になりますが、感受性が強すぎる場合は、前述したように、本人がつらくなってしまうこともあります。
感受性が強いお子さんは、もしかしたら「HSC(Highly Sensitive Child)」の可能性もあります。
「HSC」とは、1996年にアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念であり、「生まれつき感受性が高く、繊細で敏感な気質を持つ」お子さんのことを言います。
病気や障害ではなく、生まれ持った気質であり、5人に1人の割合でいると言われています。
HSCは下記の4つの特徴すべてに当てはまり、一つでも当てはまらなければHSCではありません。
- D:Depth of processing 深く考え、深く処理する
(年齢の割に大人びたことを言う。不安になりがち。など) - O:Overstimulation 過剰に刺激を受けやすい
(大きな音、怒鳴り声が苦手。楽しいお出かけでも、疲れやすく機嫌が悪くなる。など) - E:Empathy and emotional responsiveness 全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い
(他の子が怒られているのを見て、自分も怒られているように感じる。涙もろい。など) - S:Sensitivity to subtleties 些細な刺激を察知する
(音やにおいなど、かすかなものに気づく。少しの刺激が体調に現れやすい。など)
「うちの子もしかしてHSCなのかも」と思った方は、HSCについて下記の記事でも紹介しているのでぜひご参照ください。
【もしかしてHSC⁉】ひといちばい繊細な子の特徴&良いところの伸ばし方5選
感受性豊かな子どもへの接し方
感受性が豊かなことは決してネガティブなことではありません。
むしろ長所です。
そのための親として感受性の豊かなお子さんへの接し方を5つご紹介します。
- 感情を否定しない
- 落ち着く場所に移動する
- 話をしっかり聞く
- 気持ちを代弁する
- 良いところを見つけて褒める
それぞれ詳しくご紹介します。
感情を否定しない
感受性の豊かな子どもは、周りに合わせようとして、自分の感情を抑え込もうとすることがあります。
それでも、お子さんの気持ちがあふれてしまった時に、
と頭ごなしに怒ったり、感情を抑え込もうとする発言をしてしまうことってありませんか?
その言動で、子どもの感情をより押し込めてしまい、感受性豊かなお子さんの長所をつぶしてしまうことになってしまいます。
落ち着く場所に移動する
感受性の豊かな子どもは周りの人や環境に敏感に反応します。
落ち着かなくなったり、泣いて癇癪を起したときは、落ち着く場所に移動させてあげましょう。
落ち着く場所とは人それぞれ違うかと思いますが、感受性豊かなお子さんに対しては、刺激が少ない場所がおすすめです。
人があまり通らない階段付近や、トイレ、部屋の隅など安全な場所でクールダウンさせてあげましょう。
刺激が少ないと徐々に気持ちも落ち着いて、お話が出来たり、ママの声も届きやすくなります。
話をしっかり聞く
感受性の豊かな子どもは周りの気持ちを敏感に感じてしまうことで、自分の思うようには振舞えていないことがあります。
相手を思いやる気持ちから、自分の意見を言えないこともあるでしょう。
話を聞いてあげることで、お子さん自身の気持ちの整理ができてきます。
気持ちを代弁する
まだお子さんが小さい場合、自分の気持ちを言葉で表現することが難しいです。
自分の気持ちをうまく言葉で伝えられないことから、気持ちが切り替えられなかったり、癇癪を起してしまうこともあります。
前述したように、自分の気持ちや、なぜそんな気持ちになったのかお子さんの話をしっかり聞きましょう。
それから
お子さんの気持ちを受け止め、代弁することで
その上で、
「次はこんな風に言ったら伝わるかもしれないよ」
お子さんは、言語化され気持ちを代弁してもらったことで、なんでこんな気持ちになったのか整理ができ、気持ちの切り替えができるようになるでしょう。
良いところを見つけて褒める
感受性が豊かの子どもは、周りの反応に敏感なため、自分がどう思われているか気にしすぎてしまう面があります。
気にしすぎることで疲れてしまったり、 発表会や人前に立つ場合に緊張してぐずってしまうこともあるでしょう。
「自分は自分のままでいい」
お子さんも自分の良いところを見つけられるようになり、自信を持つことができます。
また、自分に自信がつくことで
まとめ
いかがでしたでしょうか。
感受性が豊かなお子さんは、その豊かさがゆえに、負の感性に引っ張られてしまい、持ちが切り替えが難しかったり、不安や恐怖に感じることが多かったりと親御さんにとって心配な面があります。
しかし一方で、「思いやりがあって、優しい」「想像力豊かで、感性に優れている」「場の状況を察知でき、物事の多面性に築く」など様々な長所があります。
これらの長所が発揮できれば、園や学校生活など円滑に過ごすことができ、また、社会にでてもとても重宝されるでしょう。
お子さんの良い面を発揮させ、困っている面を落ち着かせてあげるために、接し方を5つご紹介しました。
- 感情を否定しない
- 落ち着く場所に移動する
- 話をしっかり聞く
- 気持ちを代弁する
- 良いところを見つけて褒める
上記の接し方をすることで、お子さん自身も感受性の豊かさに気づき、自分の長所、強みを感じることができます。
「気持ちがなかなか切り替えられなくて、癇癪をおこしてしまう。」
「友達が悲しいと自分も悲しくなって泣いてしまうんです。」