子供の将来が心配…
色々なタイプのお子さんがいる中で「生まれつき感受性が高く、繊細で敏感な気質を持つ」お子さんがいます。
この「ひといちばい敏感なお子さん」のことを、HSC(Highly Sensitive Child)と呼ばれています。
もしかしたら、あなたのお子さんの繊細さは、HSCの特性によるものかもしれません。
繊細さや敏感さが強みになり、才能となることがあるのです。
この記事ではHSCの特徴と、お子さんのいいところを伸ばすための5つの方法についてご紹介しています。
Contents
繊細で敏感な子【HSC】とは?
「HSC」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるかと思います。
「HSC」とは「Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略で、1996年にアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念です。
「生まれつき感受性が高く、繊細で敏感な気質を持つ」お子さんのことを言います。
HSCのお子さんは、そうでないお子さんと比べて、同程度の刺激に対しても強く反応するとされています。
疾患や障害ではなく、その人の生まれ持った特性であり、 医学的な診断名として認証されているわけではありません。
子どもの5人に1人の割合でいると言われています。
しかし、20パーセントと一定数いるのにもかかわらず、HSCへの理解は進んでいません。
最近ではたくさんの書籍やインターネットによる情報により、HSCについて知っている方も増えてきていますが、医師や幼稚園、学校の先生でも、まだ知らない方が多い状況です。
HSCのお子さんを育てるにあたり、一般的な育児論が通用しなかったり、育児書を読んでも解決できないことがあります。
そう感じたのであれば、次の「HSCの4つの特徴」がお子さんに当てはまるか確認してみましょう。
繊細で敏感な子【HSC】の4つの特徴
HSCを提唱したアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士は、HSCにはDOES(ダズ)と呼ばれる基本的な4つの特徴があると言ってます。
- D:Depth of processing 深く考え、深く処理する
- O:Overstimulation 過剰に刺激を受けやすい
- E:Empathy and emotional responsiveness 全体的に感情の反応が強く、 特に共感力が高い
- S:Sensitivity to subtleties ささいな刺激を察知する
これら4つの性質の頭文字をとって「DOES」と名付けられています。
HSCは、この4つの性質にすべてに当てはまり、一つでも当てはまらないのであればHSCではない、と言われています。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
D:深く考え、深く処理する
HSCの脳は、情報を深く処理する部分が活発に働いていると言われ、小さな情報から、瞬時にたくさんのことを感じ取ることができるのです。
行動する前に、様々な選択肢やその後のことまで考慮することができ、慎重に行動することができます。
また、周囲の様子や人の気持ちの動きまですぐに察知することができ、深く考えます。
- 年齢の割に大人びたことを言う
- 様々な可能性を考えるので行動するまでに時間がかかる
- 考えこむような深い質問をする
- 「こんなことになってしまうのではないか」と不安になりがち
O:過剰に刺激を受けやすい
HSCのお子さんは、感覚処理に対する神経が敏感なため、音や光、味、痛みといった刺激に反応しやすい性質があります。
ちいさな刺激に対しても過剰に反応しがちです。
- 大きな音、怒鳴り声が苦手
- 服がチクチクしていると言って、着ることができる服が限られる。
- すぐびっくりする ・大きな変化に適応できない
- 寒さや暑さに敏感 ・楽しいお出かけでも、疲れやすく機嫌が悪くなる
- 人に見られていると必要以上に緊張してしまう。
E:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い
HSCのお子さんは、相手の気持ちを自分の気持ちのように感じる傾向があります。
- 他の子が怒られているのを見て、自分も怒られているように感じる。
- 不公平や残酷なことに動揺しやすい
- 悲しいニュースで傷ついてしまう
- 深く感じ取り、涙もろい
S:ささいな刺激を察知する
HSCのお子さんは直感力や共感力に優れているため、小さなことにもすぐ気づくことができます。
周囲の微妙な変化や物の配置の変化、人の感情の変化にも敏感に察知します。
- 人の髪形や服装の変化に気づく
- 人の顔色をうかがう
- 音やにおいなど、かすかなものに気づく
- 薬が効きやすい
- 少しの刺激が体調に現れやすい
お子さんの特徴とあっていたでしょうか?
HSCは生まれ持った気質であり、良い悪いも、治すものでもありません。
HSCの気質から苦手なこともありますが、HSCだからこその素晴らしい強みもあります。
HSCのお子さんの強みや才能については以下の記事に詳しく記載しております。
【HSCの才能とは?】自己肯定感を育む3つ方法でお子さんの才能が開花!
繊細で敏感なわが子のいいところを伸ばすためには
繊細で敏感なお子さんの良いところを伸ばすためには、以下の5つの方法があります。
- HSCの特性を理解する
- ポジティブな声掛けをする
- HSCの感覚、反応を否定しない
- 過干渉に気をつける
- HSCに合わせた環境作り
これらの関わりでお子さんの良いところがぐんぐん伸びていきます。
それでは詳しく説明していきますね。
HSCの特性を理解する
繊細なお子さんと関わっている中で、
「育児書を読んでもうちの子には合わない」
HSCは5人に1人であり、少数派です。
一般的に良いとされている育児方法が合わないことも多々あります。
HSCのお子さんには特性があり、その特性をよく理解しましょう。
特性を理解すれば、HSCのお子さんにとっての育児方法が見えてきます。
ポジティブな声掛けをする
HSC は良くも悪くも、環境に影響されやすい特徴があります。
1を聞いても、10受け取ってしまい、少しの指摘で
「ちいさなことを気にしすぎる」、「すぐ泣く」など 繊細や敏感さのネガティブな部分に目が向いてしまい、ネガティブな声掛けをしがちですが、HSCのお子さんにとって、ネガティブな声掛けは自信をもてなくさせてしまいます 。
ポジティブな言葉に言い換えをし、「あなたは素晴らしい」「あなたはそのままでいい」ということを伝えましょう。
例えば
- 優柔不断→慎重に行動できる
- ちいさなことを気にしすぎる→よく気づき、気づかいができる
- 泣き虫→人の気持ちが分かる優しい人
- 臆病→思慮深い
ポジティブな声掛けは、お子さんにとって励みになり、自分の気質や行動をポジティブに捉えることができるようになります。
HSCの感覚、反応を否定しない
HSCのお子さんは、些細な刺激を敏感に感じ取ります。
敏感すぎるわが子を見て、
「怖がりすぎ」
お子さんにとっては、本当に感じていることなので、このような対応は、大好きな親御さんから否定されたように感じてしまい、傷ついてしまいます。
お子さんの感覚、反応を否定せず、
「怖かったね」
親から認められている、大切にされていると感じられ、自己肯定感を高めることができます。
過干渉に気をつける
繊細で敏感なお子さんは、行動がゆっくりだったり、不安が強かったりと心配になりますよね。
そこでつい、親御さんは手を出したり、口を出したりと干渉しがちです。
HSCのお子さんは、人の気持ちがよくわかるので、親の顔色を見て過ごすようになることもあります。
親の指示どうりにすれば親が喜んでくれると思ってしまい、過干渉が続くと、「指示されないと何もできない子」になってしまいます。
HSCのお子さんは自分の考え方を大切にしています。
ゆっくりかもしれませんが、信じて見守ることも必要なのです。
HSCに合わせた環境作り
HSCのお子さんは、たくさんの刺激を受け止めてしまうため、心も体もとても疲れやすいのです。
幼稚園や学校は、私たち親が思っているよりも、とても刺激が多く、疲れ果ててしまう場所です。
また、HSCのお子さんは、ネガティブな影響だけでなく、ポジティブな影響をもひといちばい吸収します。
良い子育てなど、HSCのお子さんにとって良い環境で過ごすことで、幸せに生きていくことができるのです。
まとめ
お子さんの敏感さ、繊細さに戸惑ったり、心配になったりすることもあるかと思います。
しかし、HSCの「慎重な行動、思慮深さ、人に寄り添える力」は素晴らしく、将来社会で必要になる能力です。
- HSCの特性を理解する
- ポジティブな声掛けをする
- HSCの感覚、反応を否定しない
- 過干渉に気をつける
- HSCに合わせた環境作り
「ちょっとしたことで不安になったり、悲しくなってしまったりで、うちに子繊細過ぎるんです!」
「服の着こごちが悪いと絶対に着てくれない!」
「子どもが敏感すぎて子育てに疲れてしまう」