HSCのお子さんをお持ちのあなたも、こんなことを感じたことはあるのではないでしょうか?
にこにこ笑顔で帰ってくるかと思っていたのに、いつも疲れて帰ってくると心配になりますよね。
毎日疲れて帰ってくるわが子を見るのは辛いですよね。
そう悩まれている保護者の方も多いことでしょう。
Contents
HSCの疲れやすい理由を解説
HSCの特徴を知ると、疲れやすい理由が見えます。
HSCを提唱したアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士は、HSCにはDOES(ダズ)と呼ばれる基本的な4つの特徴があると言ってます。
D:Depth of processing 深く考え、深く処理する
O:Overstimulation 過剰に刺激を受けやすい
E:Empathy and emotional responsiveness 全体的に感情の反応が強く、 特に共感力が高い
S:Sensitivity to subtleties ささいな刺激を察知する
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
D:深く処理する
HSCの脳は、情報を深く処理する部分が活発に働いているといわれています。
そのため同じ体験をしても他の子どもより深く考える傾向があるのです。
O:過剰に刺激を受けやすい
感覚処理に対する神経が生まれつき敏感なため、音、光、匂い、味、痛みといった五感の刺激に反応しやすい傾向があります。
刺激を受けやすいため、疲れやすいのです。大きな声や音、強い光をとても不快に感じる子もいるでしょう。
E:感情の反応が強く、特に共感力が高い
HSCの子は、他人の行動を見て、あたかも自分が同じことをしているように感じたり、相手の気持ちを自分の気持ちのように感じる傾向があります。
自分とは全く関係のない悲しいニュースで傷つくこともあります。
S:ささいな刺激を察知する
感覚処理に対する神経が生まれつき敏感であるため、同じ刺激を受けて他の人は何ともなくとも、HSCの子には強く反応してしまいます。
環境の変化や気温差、服の素材、周りの人の機嫌など、ちょっとしたことでも敏感に察知します。
些細なことにも気づいてしまうので、色々と考えてしまい疲れてしまいます。
HSCの疲れやすさは体ではなく、心の疲れ。
なんで園や学校は疲れるの?
疲れやすいHSCのお子さんにとって、学校のどんなところが疲れやすいのでしょうか。
- 人の多い空間自体がストレス
園や学校にはたくさんの人がいます。人が多いとその分刺激も多くなります。 - 大きな声、給食の匂い、強い光も大きな刺激
HSCのお子さんは感覚が敏感なため、これらも大きな刺激となってしまいます。 - 新しい状況や環境に適応が難しい
入学式や始業式、新しいクラス、席替えも慣れるまで時間がかかります。 - イベント事も疲弊の原因に
運動会や学芸会、修学旅行といった非日常のイベントも、本人が楽しいと思っていても人一倍疲弊してしまいます。
疲れやすいわが子への対処法を紹介
何とかしてあげたいな
疲れやすいHSCのお子さんの対処法として以下の2点を紹介します。
- ダウンタイムを適宜入れる
- 疲れていることを認め、安心感を与える
ダウンタイムを適宜入れる
ダウンタイムとは休息のこと。
プライバシーがあり、五感の刺激が少ない状態で休憩をとることです。
- 薄暗い部屋で静かに過ごす。
- 狭いスペースでまったりとする。
- 自分の好きなことに没頭する。
- イヤホンで外部の音を遮断して好きな音楽を聴く。
- 昼寝をする。
一人で、または気心の知れた人と落ち着いて過ごすことで、刺激をやわらげ、心を休ませることができます。
では園や学校ではどうしたらよいのでしょうか?
小まめにトイレなどプライベートな空間に行き、しばらく静かに過ごしてみるという方法があります。
また、目からの刺激が7割を占めているといわれているので、その場で目を閉じて少し休んでみるのもいいでしょう。
疲れていることを認め、安心感を与える
HSCは病気でも障害でもなく気質です。
治そうとするのではなく、この子は疲れやすい性質があるということを理解し、認めて寄り添ってあげましょう。
ゆったりと落ち着いているときに話を聞いてあげてください。
そして
HSCは5人に1人の割合でいるといわれています。
と珍しいことではないことを伝えるのもいいかもしれません。
そして疲れそうなときはダウンタイムをとることを話し、どのような方法がお子さんにとれるのか一緒に考えましょう。
また、HSCには素晴らしい長所があること、細やかな気配りができる、相手の気持ちを理解できる、ノートがきれいに書けるなど、お子さんのいいところを伝えて褒めてください。
自分が疲れやすいことを自覚し、疲れた時に安心して休むことができれば、疲れすぎて心が折れてしまうことを防ぐことができるでしょう。
まとめ
生まれながらに様々なものに敏感に反応してしまう、感じてしまう、考えてしまうHSCのお子さんは、とても疲れやすいです。
- ダウンタイムをこまめに入れ毎日の疲労を回復させましょう。
- 疲れていることを認め、安心感を与えて子供にとって休める環境をつくりましょう。
疲れて帰ってくるお子さんを見て、「何とかしてあげたい」と思いながらも「こっちが疲れるよ…」と思うこともあります。
「疲れても逃げられる場所がある」
「休む方法がある」
とあなたが、そして本人が知っているだけでも気持ちが楽になりますよね。
本当に辛くなる前に、思い切って園や学校を休ませることも大事です!